調湿器 導入評価

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Q.マイクロ・イクイップメント社の調湿機を導入されたキッカケを教えて下さい。

某大学に熱分析機器を提案した際に湿度に対して高い要求が来ていました。当社も水蒸気発生装置を製造していますが、60℃で90%RH出すのが限界です。
最終顧客からの要求に応えられないなか、商社から「マイクロ・イクイップメント」なら対応装置が作れますよ!と言われ、紹介されたのがキッカケです。

Q.要求仕様には、応えられたのですか?

はい、マイクロ・イクイップメント社は90℃で95%の湿度を保つ装置が製造できます。充分に応えられることが出来きました。

Q.なぜ、それだけの性能差が出るのでしょうか?

当社の水蒸気発生装置は「分流式」ですが、マイクロ・イクイップメント社は「二温度二圧力方式」を採用しています。これが性能を出す決定的な違いです。

Q.「二温度二圧力方式」の利点を教えください。

分流式は、流量と温度の2つのパラメーターで制御しています。方や、二温度二圧力方式は、パラメーターが1つです。
例えば、25℃で湿度50%の環境と、30℃で湿度50%の環境では、湿度は同じでも水蒸気の発生量は異なります。この絶対的な量を制御するのは、二温度二圧力方式でないと出来ません。

Q.精密な湿度、水蒸気量を保つには、マイクロ・イクイップメントが採用する二温度二圧力が必須となるのですね。

はい。実際、水蒸気に詳しい人が多くなってきていまして、二温度二圧力方式を求めるケースが出てきています。
制御しやすいですし、パラメーターが一つなので、分かりやすいからでしょう。

Q.なぜ、リガクさんでは二温度二圧力式の水蒸気発生装置を製造しないでしょうか?

性能を出すレベルまで微調整しながら作り込むのは簡単ではありません。
「湿度分布」「結露防止」「正確な露点のガスをつくり出す」など、微妙な制御が要求されるなか、対応する「調湿機」を作ることは難易度が高いのです。

Q.試行錯誤しながらの研究開発は、コストが肥大化する可能性 があります。その懸念もあるのでしょうか

その通りです。そのため、今現在「調湿機」のユニットに関しては、マイクロ・イクイップメントさんに全面委託することを検討しています。
いま、小倉社長にお願いしている熱分析器と連結させるためのソフトウェア開発を進めてもらっているのですが、それが完成したら実現化はさらに進展します。
ちょうど今、熱分析器は現在リプレース時期を迎えている企業が多いので、適正コストを維持しながら、次世代の測定環境を実現することが急務となっています。

Q.リプレースにおいて湿度に関する要求は高まってきていますか?

世界的な需要から見て、要求は高まっていると思います。特に、医薬品や素材メーカーなどからの研究部門からの要望は強まっています。

Q.具体的にはどのような素材メーカーでしょうか?

以前から開発競争が盛んだったのですが燃料電池などですね。あとは、触媒メーカーも調湿に関する要求がきます。

Q.具体的に教えてください。

自動車メーカーなどは、大気汚染を抑制する義務から、窒素酸化物(NO x、ノックス)や硫 黄酸化物(SOx、ソックス)の処理を行い排ガスの無害化する研究を重ねています。
白金触媒は、水素と酸素を結合させ水の分子を生成し、有害部質を付着させて無害化させているのですが、そのテスト環境をつくり出すのに、水蒸気発生装置が必要不可欠なっています。

Q.様々な湿度帯域をつくり出し、そこで 性 能 がちゃんと出ているか?などをテストしているのですね。自動車などは、北海道から沖縄まで様々な温度、湿度のなかで性能を出す事を要求されますから、触媒以外でも「調湿したテスト環境」を作ることは、求められるでしょうね。

はい、その通りです。様々なデバイスに利用されている素材や塗料などは、ある温度帯、湿度帯で、どのように素材が変化するのか?を実証して行く必要があります。
例えば、熱重量測定などは、典型例です。熱重量測定とは、ある素材を一定の速度で加熱・冷却したとき、あるいは一定の温度で保持したときの重量変化を測定する手法です。
このとき素材が蒸発、還元 、吸着等などで重量変化をした際、安定性や反応性などの評価を行う必要があります。この測定・評価を行う際、湿度が重要要素となるのです。

Q.自動車も、1つの個体が様々な環境に移動、利用されますが、そう言った側面から見ると、スマホやウェアラブル端末なども同じですね。室内にあったパソコンが、スマホなどの移動体となり、外に出て雪国に行ったり、灼熱の地に移動して、そこで一定の性能を出す必要がありますから。

その通りですね。品質保証の観点から見ると、様々な視点から分析・評価を行う必要性が出てきています。
ある一定の湿度になると、素材が伸びたり、縮んだり…また一定の湿度になると柔らかくなったり固くなったりなど、特性を知ることで利用用途を保証することが出来たりもします。
例えば、お風呂でも使えます!など「調湿された環境で評価テスト」することで品質を担保することも出来ますね。

【取材先】株式会社リガク / 【調湿機開発メーカー】マイクロ・イクイップメント株式会社